手話通訳の試験対策
今月の下旬に手話通訳士の実技試験がありますね。
ウメが手話通訳士試験に合格したのは2006年度で、もう15年が経ちます。手話通訳士の人数も4,000人を超えて増えてきていますがほとんどが女性、しかも高齢化も進んでいて、実際に活動できている人がそれほど多くない状況。ありがたいことに電話リレーサービスが公的サービスになったりと手話通訳に関するニーズは増えているようですが、それを担う手話通訳者の育成はあまり進んでいないような気がします。
さらに手話通訳の現任者の資質向上もなかなか進んでいない状況です。自分がどうかと言われるとおこがましいのですが、様々なニーズや専門分野に対応する手話通訳の現場に対応する通訳者がどれだけいるか…記者会見の通訳だけでも見ると同じ顔ぶれですね。本当にこの状態で良いのでしょうか。
で、そんな中でこれから試験を受けられる方。試験対策の勉強はもちろん必要ですし、試験に合格しないと活動はできないのはそうなのですが、試験はあくまで試験。現場によっては試験の手話では通じないことが多いです。知っている手話だから、覚えた手話だから…ではなく、様々なパターンがあることを想定して試験に臨んでください。まずはカメラ慣れ、録音慣れをするのが一番です。嫌だと思いますがスマホで手軽にできるので自分の手話通訳を録音・録画して見返す(見てもらう)のが良いと思います。
そして試験対策としては1つの文(動画)をじっくりよりも多くの題材に触れた方がいいと思います。実際の通訳現場には「聞いたことがある話」などはほとんどなく初見・初聞きですからね(原稿や資料をいただけることがあるとは言え)。そのとっさの翻訳力、手話力、日本語力が問われます。
試験と現場は違うのですが、応用は利きます。まずは基本を抑えて試験に合格してたくさんの現場を経験して技術を磨けるようになればいいですね。それはウメもそうなのですが…。だからこそ、ろう者もただ「下手だ」と言うだけでなく、何がダメだったのかを具体的に本人に届くように、前に向くようなアドバイスをしていただきたいと思います。
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