マスクで手話通訳に話題が
最近、新型コロナウイルスに関する知事などの会見で手話通訳を目にする機会が増えています。4月7日の安倍首相の緊急事態宣言発令の会見の際はほぼ全ての民放にも会見の生中継で手話通訳がワイプ挿入されました。少しずつですが手話通訳への理解が広まっていることが嬉しく思います。ですが、ニュースの映像だったりその他の会見では手話通訳が”いる”のに映されなかったり(誰の指示なんでしょうね)、いない(埼玉県…)こともあったりして、情報保障の道はまだまだだなぁと思います。
そして個人的な話になりますが、そういった会見の場など、重要な通訳を担いたいという気持ちはあったりするのですが、まぁウメにお声がかかる機会も無く、仕事もしているので都合が付かないというのもあるでしょう。まぁそれは自分で何とかするとして…。
手話通訳の場に重要さの差はないと思いますが、多くの人に見られる会見などはやはりどうしても注目されますよね。「わからない」とかいう声も上がっていますが、手話通訳者の技術が不足していることはあるかもしれませんが、決して手を抜いたりしているわけではないことだけは分かってください。しかも新型コロナウイルスの話だと医療的な話だったり経済、政治の話、横文字もかなり多くでてきます。それを同時に手話にすることの大変さはご理解いただきたいです。とはいえ、わかりやすい手話を表出することは大前提ですよね。
で、「手話通訳がマスクをしていない」的なことでいくつかメディアで取り上げられ、透明マスクやフェイスガードなどをして通訳をしている場面を見かけることもありました。やはり光ったり曇ったりして何も付けていないよりは見づらいですし、手話をする方も顔の近くの表現などは気を使わないといけないなど、大変さはありますが、自分が感染しない・媒介者にならないという意味では必要なのかも知れません。本当は別室で撮影したものをワイプで合成するなど、今の放送局だとすぐできそうなんですけど、手話通訳にそこまでしてくれないのが実状なんですよね。だから話者に近づいて話す(そして強制的に映させる)という手法になります。それ自体は良いことなんですけどね。
会見の場でも(口は悪いですが)おっさんやおばさんのアップばっかり映しているなら、手話通訳を映せば良いじゃない!と普通に思うのですが、どうしてアップになっちゃうのでしょうかね。あと知事とかの会見だとモニターが映されると手話通訳者が映らなくなる…なんてこともあったり…なかなか前途多難です。
自分も手話通訳者の端くれとして、いろいろ思うところがあるんですけど、自分でできることは何かないかな…YouTubeで何かやろうかな…なんて思ったりするんですけど、需要はあるのでしょうか。そう、和光市市長も「市民へのメッセージ」として話していましたが、字幕も手話もなかったので、そこから始めましょうか…。
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