気づいたら2時間半
先日とある手話通訳に行って来ました。講演会とかじゃなく久しぶりの対面通訳。派遣されたのはウメ一人。読み取りも聞き取りもするまぁ良くあるパターンです。
内容や詳細はもちろん書きませんが、自分自身が対面通訳が久しぶりだったので、いろいろ思うことがありました。講演会とかはどちらかと言えば一方的で、読み取りか聞き取りしかしませんが、対面ではそれがしょっちゅう入れ替わります。もちろん、それができて当たり前ですし、聞こえない人・聞こえる人、どちらの話のペースを崩してもいけません。
先日「手話通訳して良かった」的な記事を書きましたが、今回の通訳を通してもやっぱり手話通訳ってとっても重要だし、やるからには相当な技術が必要だし、技術だけでは無く人としての振る舞いもきちんとしなければいけないな、と改めて思いました。自分が完璧にできているか、は置いといてですよ。
で、通訳している最中にはあまり気にならなかったのですが、報告書を書くときに時間を計算したら、2時間半も通訳していました。本当はダメなことなんでしょうけど、自分としては「そんなに長くしてたんだなぁ…」と思うくらいあっという間でした。確かに最後の方は頭が回らなくなってきた&手が動きにくくなってきたのは感じていたので疲れはあったのですが、その場に一人しかいないんですからやることはやらなければいけません。
お互いの言いたいこと、言っていることを正確に判断して、それを通訳が曲げて解釈しないで同時に(手話なり音声なりで)表出する。先にも書きましたが難しいですし大変なんですけど、やりがいあるなぁ…と思います。それと同時に、お互いがしっかり満足のいく通訳技術を提供できる人ってどのくらいいるんだろうか…と思いました。だいたいろう者の皆さんは気を使ってくださっていると思うんですが、「この人になら安心」「信頼できる」「自分のペースで話せるし、手話の読み取りも疲れない」という通訳者はいるのでしょうか。いや、手話通訳なら全員そうでないといけないはずなのですが、残念ながらそこまでのレベルの人は小数でしょう。
通訳者も人間ですから完璧ではありません。もちろん、今回のウメの現場でも完璧だったとは言いませんが、今後通訳者のレベルアップ・新しい通訳者の養成、そしてろう者等対象者のニーズにきちんと応えられる、情報保障ができる手話通訳者を増やしていかなければいけませんし、すでに通訳に携わっている方も常に考えなければいけないことだと思います。
自分も「あー長い通訳だったなぁ」という感想から始まりましたが、久々のがっつり通訳で良い経験をさせてもらった一件でした。
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