どこからが手話通訳者?
手話を勉強している人で通訳を目指している人は、努力を続ければいずれは手話通訳者になります。そして手話通訳者として数々の現場にたたれている方も多いと思います。
では、どこからが手話通訳者と言えるでしょうか?わかりやすい基準で言えば、「全国手話通訳者統一試験」や「手話通訳士試験」、その他市町村が実施している独自試験に合格すれば「手話通訳」の資格を得ることはできますが、それイコール手話通訳ができるか?というとそうではありません。
良く「手話ができる」のと「手話通訳ができる」のは違うと言われます。これは英語などの音声言語でもそうでしょう。じゃあ、「手話ができる(ある程度堪能に使える)人」から「手話通訳者」になるのはいつでしょうか?どうしたらそうなれるのでしょうか?
はっきりとした答えはないと思いますし、見つけることができないと思います。最初は「手話ができる人」が手話通訳の現場を経験していって、そこから「手話通訳者」としての技術を上げていく…こういう流れになるんだと思います。
資格試験に合格するのも大事なことですが、しっかりと「(言葉そのものの)通訳(翻訳)」「情報保障(増やさず減らさず」「コミュニケーションの橋渡し」ができているかどうか、この辺りが「手話通訳者」であることの条件になるでしょうか。はて、自分はしっかり、いつ何時でもできているでしょうか。
良く「手話通訳者になるにはどのくらいかかるの?」と聞かれることがあります。まぁだいたい数年程度ですが、人によって様々でしょう。きっと向き不向きもありますし、どのくらいの密度で学習するかにもよりますし、ぶっちゃけ講座や講師の質にもよりますし…。ただ、現場をある程度経験することはとても大事だと思います。(聴覚障害者に限らず)対象者にしっかり情報を伝えなければいけない緊張感の中で自分の仕事ができるのか、これは重要ですね。
なかなか職業として確立しない手話通訳者ですが、今後業界全体としてどう改善していくか、人材を育てて確保していくか、今自分たちが良ければいいわけじゃありません。必死に考えていかなければいけないと思います。
最後に日本手話通訳士協会(ウメも一応会員です)のリーフレットをご紹介します。
「登録手話通訳者の労働者性の確立のために」(PDF)
登録で動いている手話通訳者の方、たくさんいらっしゃいます(自分もそうです)。その人達は労働者なのか?有償ボランティアに過ぎないのか?問題提起がされていますので、是非ご一読くださいませ。
(手話通訳って、習得するのに時間もかかるし、技術的にはとても難しいことなのに謝金はピンハネされて安いし、病気になったら使い捨てられそうだし、職にありつけても給料はだいたい安いし、そもそも正職員が少ないし、何かと支出も多いし、会議とか役つけられたら通訳以外の仕事も増えるし、人間関係はこじれるし…不思議な世界だ)
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