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2010年6月 1日 (火)

被告人質問の通訳 その3

最後に裁判官からの質問と補足質問です。
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 裁判官「あなたは酪酸を撃ったとき、第2昭南丸の操舵(そうだ)室の扉のすぐ脇の柱のかげに、人が隠れているのが見えたのですね?」
 被告「私が覚えているのは、撃つ前に、彼がちょっと顔を出して、様子をうかがってから、すぐに顔を引っ込めたことです」
 裁判官「隠れている人には、絶対に当たらないと考えたのですか」
 被告「そうです」
 裁判官「さっきの話だと、あなたのゴムボートは、海の上で多少、揺れていたようですね。1メートルほど狙いがずれることがあると考えていたのですね?」
 被告「はい。その程度は想定していました」
 裁判官「それでも、柱のかげの人には、絶対に当たらないと考えたのですか?」
 被告「そうです」
 裁判官「あなたがいう『無害』とか『無毒性』という言葉の意味が知りたい。例えば、レモン汁でも無毒、無害になるのですか?」
 被告「はい」
 裁判官「レモン汁が目に入っても、人体に害はないということになるんですね?」
 被告「目に入ったら、痛いことは痛いと思います」
 裁判官「さっきから良く分からないのですが、あなたはこの事件当時、日本側が『酪酸で負傷者が出ている』と主張していることを知っていましたか」
 被告「知りませんでした」
 裁判官「あなたの主張では、酪酸を第2昭南丸に打ち込んだのは、昭南丸とスティーブ・アーウィン号を引き離すため、ということですか?」
 被告「そうです」
 裁判官「どうして、撃ち込むと離れることになるのですか」
 被告「酪酸は極端にくさいので、おそらく清掃作業に追われると思いました。私たちが投擲(とうてき)した酪酸の濃度は、量は不十分でしたが、少なくとも目的は果たすことはできました」
 裁判官「くさいだけだと、航行不能になるわけじゃない。その辺は考えなかったのですか」
 被告「その(航行不能にはならない)可能性は、大いにあります」
 裁判官「すると、『においで困らせる』という以上のものが、あなたの考えの中にあったのでは?」
 被告「ありません」
 裁判官「1発目はなぜ当たらなかったのですか」
 被告「ボトル(瓶)の大きさが小さく、空気が漏れてしまいました」
 裁判長「視力は良いですか」
 被告「かなり良いです」
 裁判長「ゴムボートで第2昭南丸に近づいたとき、乗組員の姿は良く見えましたか」
 被告「はっきり見えました」
 裁判長「(酪酸入りの瓶を)ブリッジにめがけて撃った理由は?」
 被告「(ブリッジと離れた)船尾の方にきちんと防護服を着ていない人がいました。ブリッジの方は誰にも被害が及ばないと思いました」
 裁判長「(圧縮空気で水を発射する)インパルス銃を見たのはこの日が初めてですか」
 被告「違います」
 裁判長「発射されるのを見たのは初めてですか」
 被告「そうです」
 裁判長「あなたに水しぶきはかかりましたか」
 被告「いいえ。インパルス銃から発射された水は彼ら(発射した第2昭南丸の乗組員)に戻り、彼ら自身がぬれていました」
 裁判長「なら、あなたには(インパルス銃から発射された液体に)化学成分が入っているか分からないのではないですか」
 被告「彼らの何人かにインパルス銃の液体がかかり、彼らが(船の)船首の方向に走っていきました。外部からの侵入を防ぐため、水だけを撃つ行為は無駄に近いです。しかし化学物質が入っていれば、有効です」
 裁判長「酪酸の影響で(乗組員たちは)走ったのではないですか」
 被告「違います。彼らはインパルス銃を撃った1、2秒後に負傷しています。彼らは酪酸が原因だと思ったかもしれませんが、私はインパルス銃に入っていた化学物質が原因だと思っています」
 弁護人「けが人が出ることを無視してランチャーを撃つとしたら、どこが狙いやすいですか」
 弁護人「実際にはそこを狙わずに、船首の方を狙いましたね?」
 被告「はい」
 弁護人「なぜですか」
 被告「(船尾よりの壁の近くに)人がいたからです」
 検察官「SSでは捕鯨船への攻撃はメンバーの会議で決まるのか、それともポール・ワトソン(容疑者)が決めてメンバーに伝えるのか」
 被告「通常は高い地位の人が集まって会議で決めます」
 検察官「ポール・ワトソンは必ず会議に参加しますか」
 被告「多くの場合、彼は参加しません」
 検察官「取り調べでの説明と、ここでの説明が違っていると思いませんか」
 被告「そうではありません」
 検察官「今回の裁判でポール・ワトソンに関する供述について信用性を争うことを決めたのは、あなたですか、それともほかの誰かですか」
 被告「私です」
 検察官「それはなぜ?」
 被告「自分で責任を取るためです」
 検察官「取り調べでは最初、ポール・ワトソンの名前を出していたのに、途中から『名前を出すことは嫌だ』と言い出しましたね?」
 被告「はい」
 検察官「ポール・ワトソンの名前を調書に書くことを拒否しましたね?」
 被告「拒否する権利が私にはあります」
 検察官「なぜ途中から拒否することを決めたのですか」
 被告「ノーコメント」
 検察官「SSの上から指示があったんじゃないですか」
 被告「違います」
 検察官「ポール・ワトソンがこの裁判に対してどのように話しているかについて、取り調べ段階で分かっていましたか」
 被告「ノーコメント」
 検察官「あなたにとってポール・ワトソンの印象は?」
 被告「私にとって、偉大なる指導者です」
 検察官「終わります」
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さて、ずいぶん長かったですが、どうでしたか?もしこれを通訳するとしたら…しかし、手話通訳活動をしていれば絶対にないとは言えません。今すぐできるようになるべき!とかここの単語はこう!…とか、そういうことではなく、手話通訳がどう通訳するか、全体的に想像していただくくらいで大丈夫かと思います。

手話通訳者の現任研修などで、被告人と裁判官、検察官、弁護人などを設定し、ロールプレイングをすると勉強になるところがたくさんあるなぁと感じました。裁判ということで、どうしても難しい・関係ない・そんな状況はあまりない、と思うかもしれませんが、案外普段の通訳現場にある問題点と共通しているところは多いような気がします。

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コメント

難しいことから逃げてちゃだめ!乗り越えるのよ!(なぜか女優風)

こんばんは!
難しくてよく分からん。通訳が難しいことはよーく分かった。

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